こんにちは、金森と申します。さっき説明会の動画の中で話していた者が、服まで同じような姿で出て来てるんでね、なんだかちょっと変な感じすると思いますけども。

この前の時間の元当事者けんけんの発表を聞いていてね、今までそんなに真面目に聞いたことはなかったんですけども改めて振り返るとね、本当に16年のひきこもりですよ。彼が来た時のことよく覚えてます。

大学もね「何がなんでも大学出ようぜ」って言って、大学をもう出るため一生懸命やりました。

けんけんがK2に来る前は、大学進学だって考えてもいなかったと思うんですけども、大学はちゃんと卒業しましたし、それから一緒にミュージカルもやって、彼は素晴らしい演技をしてくれました。

縁とタイミングがない。

けんけんはね、みなさんの子どもと何も変わらないですよ。彼だけに特別に何かがあったわけじゃないっていうことが大事だと思うんですよ。本当に何も変わらないですから。ただ、何が違ったかと言ったら、縁とタイミングです。

みなさんに今欠けているのは、掴むことしかないんですよ。悪いけども、はっきり言って、いいものを掴むしかないんです。じゃあ、いいものってなんですかっていうことなんですよ。

「私たちは努力をして頑張ってきた。いい話も聞いたしすごく納得する。うちの子もそうなってほしい。でも、うちの子は動かないんですよ。変わらないんですよ」
みなさんはそう思っているわけですよ。

そういう人はいっぱいいます。僕は偶然でこの仕事をすることになりましたが、そういう人たちを何人も見てきました。

じゃあ僕たちに繋がったからみんなハッピーになったか。そうは言いません。でも少なくとも僕らとは繋がって、一緒にミュージカルやったり、一緒にヨット航海行ったり、一緒に海外旅行したりはしました。

みなさんの子どもに必要なのは、ふつうのレールどおりに行くことではないです。もう十分苦しんだから、飛躍です。

飛躍が必要なんです。ちょっとでも何かができるようになってほしいなんて思わないでください。

一挙に空飛ぶんです。一挙に日生劇場の舞台に出るみたいなものです。

「そんなことできるわけない」って思われたでしょ?

でも、「ちゃんと挨拶できるようになってから」とか「学校さえ行けたら」てやって、行けたら次なんかできるようになって、その後一気に上手くいくなんて、そういうこと考えていませんか。そんなことはもう起きません。

学校に行ったら先生たちがわーっとなって対応してくれる。それから専門の先生のところに行くと「元気になった時に動けばいいんだよ。あなたにはちゃんと生きる価値があるから。だからあなたが本当にやりたいことができた時に頑張れればいいのよ。応援するから」って言われる。

でも、それこそがその子にとっていちばん大変なことなんです。「やりたいこと」がないから苦しんでるんです。わかりますか、できない時にそれを言われるのは、その子にとってとても残酷なんです。

子どもに嫌われたくない優しい親。

親御さんは子どもに嫌われたくない。自分が悪者になりたくないんです。どこかで自分はその子にとって優しい、いい親でありたいわけですよね。
でも、その結果お互いに何を生みましたか?

僕はこの仕事を37年前に始めた時に、その時にはほとんどこういう子たちが少なかったんですね。だから面白がってその子たちと一緒にヨット航海に行ったり、海外で暮らしたりしました。その時の子どもたちの不登校やひきこもりは、みんな一過性で終わりましたよ。

でも、その後日本中が不登校を理解するようになり何が起こったか。
「みんな待ちましょう、待ちましょう。いいですいいです、その子を大事に見ましょう」
待って大事に見守って。その結果何が起こりましたか?
10年、20年、30年.信じられないほど長期化しました。

みなさんや僕らの年齢の人が3年ぐらい待つのはあっという間です。大して変化はありません。でも、10代前半の子どもたち、10代後半から20代初めの若者たちの3年っていうのは、どうですか。意味がもう全然違うのはわかるでしょう?

なのに待ちましょうって待ってるうちに、10代だった子が20代になり、20代だった子が30代に。

だから、飛躍をするのは、本来15歳から18歳の頃に、少なくとも22歳ぐらいまでが望ましいですし、そうあるべきだと思います。いくつになったって僕は構わないと思いますが、若者たちには元気になるための権利がある。

僕のところ相談に来る人は30代でも40代でも50代でも構わないです。

「今から面白いことすればいいやん」っていつでも伝えています。

当事者が30代から40代の親御さんにはぼくは優しいけど、でも、きょうここにいる親御さんたちは10代から20代の子どもがいる方が多いって聞きました。

家族と離れなあかんのよ。

若いお子さんたちがいるあなた方は違います。親御さんが頑張るのは、今。
今頑張るの。悪いけどあの手この手で頑張るの。

答えはひとつしかないんです。「家におってもいい」というような考えは一切してはいけません。

家族で一緒にいる。家族と離れなあかんのよ。

同じリンゴ食ったって、家族と違う人と食った時に感じる味があるんですよ。これを5年、10年家族の中だけで大事にされてしまったらどうなるのか、と思わなきゃダメなんです。

「そんなこと言ったって出られないんですよ」

本人だってわかってるけど、どうしていいかわかんない。「なんかやりたいけどやれない」心の底で思ってますよ。

誰かがパーって来て、私をバーって連れて行ってくれて、今までなにもなかったみたいに、どっかで誰かと一緒になって笑いながらなにかをやっている。そんなことが起こらないかなと、どこかで思ってるわけですよ。

なのに「待ちましょう、待ちましょう。その子を尊重しましょう」って。

尊重はね、その子が自分で判断できるようになった時に尊重するんです。わかりますか。自分で何かをやろう。その子が役者になりたいって言おうが、何になりたいって言おうが。その子にその力が備わった時に余計なことを言わないであげてください。

今、どうしていいかわからない子どもが、持ちようのない意志を尊重されてどうするんですか。親が責任取って悪役に回ってくださいよ。その役ができるのは親だけやから。

他人がやったらひどい話になりますよ。そんなことは僕も認めません。でも、親だからこそそういうことを言えるじゃないですか。やるべきです。

だからと言って本当に誤解しないで。無理矢理参加させるとか、そういうことではないんです。それはその子の気持ちをもう踏みにじっています。そんなのやめてください。

でも何もしないでいるってことは、その子の首をじわじわ締めているだけのことなんです。

「私はこの子にはなにも強制しなかった」なんて言うのはやめてほしい。

子どもは理解のある親よりも理解のない無謀な親の方を望む時があります。なぜかというと、自分で決められないから。だったら俺が勝手に決めてやるよ、ということも必要なんです。

でも親が勝手に決めてというのは、「どっか行って強制労働してこい」とかじゃないですよ。「どっか行って一緒にみんなと一緒にミュージカル踊ってこい」とか、「一緒に海外に行ってカフェやって、一緒になんか暮らしてこい」ということですよ、僕の言ってるのは。

それを言うことで何が大事かっていうのは、その子に責任が生まれないってことなんですよ。自分が決めたことだと、自分がそれで結果がダメだったら、自分が全部責任負わなあかんから、ますます動けないわけです。

でも親が言ったことに今回は乗っかろうとか、誰々が言ったからそうしてみようという気持ちにして、その子の言い訳を作ってやることが大事なんです。

大事なことは、その子のいる環境が変わることじゃないですか。ありとあらゆる手を尽くして、その子が今いる環境から変えてやることなんです。

みなさん、まさか今の状況が良いと思ってる人はここには一人もいないでしょうね。

元気になること、働くことは目標にしない。

家にいてじっとして、10何年間一歩も出ない。それで「もうしょうがない。もう今の状況を受け入れて楽しもうと思って頑張ってます」そんなんやったら全然結構ですよ。そういう人は今いますか。

そうでなければ、本当にもう一刻を争うんですよ。はっきり言って僕らの年代とは違うんですよ。親とか家族に囲まれた絶対安全圏の中で経験したことなんて何もありません。だけどたった一人の友達と一緒に行ったディズニーランドで学ぶことと、親が守って連れていったディズニーランドで学ぶものは全く違うんだってことを知らなきゃダメです。

あなたの子どもは別に特別なことしたいわけじゃないんですよ。コンビニに行って、友達と一緒に担任の先生の悪口が言いたいだけなんですよ、わかります?

その当たり前なことができないことの辛さみたいなのを本気で分かって、もういい加減先送りにしたり、見ないふりしたり、「いずれなんとかなるだろう」みたいなことやめてください。

少しでもひょっとしたら自分の子どもに、けんけんみたいになれるんだ。あの子がすべてではないですよ、たまたまなんです。だから一番最初に言った「たまたま」になればいいんです。

でも、本人と会わないと本当に無理なんですね。それぐらいやりなさいよ。

一回行ったら「バイク買ってやる」でもいいし、一回行ったら「一万円やる」でもいいから。そんなことで正義を求めるの?そんな正義は必要ないで。ほんでこれはほとんど相性だから。ひょっとしたら何か面白いことしてくれるかわからんと思ったら、やるかもわからん。でも諦めないで。

さっきけんけんが話している間ずっと見てたけど、参加されているみなさん、誰も笑わないもんね。みなさんの子どもは40代から50代かなと思ったら、10代だと聞いて、悲しくなってくるけど。

僕は37年前にその子らを集めて、無理やり横浜から、もう何もわからない子たちと一緒にヨット航海でニュージーランドに行ったんですよ。その子たちと一緒にミュージカルしたんですよ。飛躍がいるんです、飛躍が。わかります。日本の学校に行けない子が、現地の高校に行って卒業しましたよ。そんなもんなんですよ。

元気になることは目標であってはいけないんですよ。働くことは目標じゃない。なんか自分がすごく面白いことやったり、自分が何かやれることがあるってわかって、それやるんだったら「ちょっと勉強しようかな」とか思うでしょ。この感覚が大事なんです。

みなさんは今、本気で子どもを家から出す気持ちで来られたのではないですよね。

「いつか出るんじゃないかな。このままでもなんか変わってくれるのでは」そんな気持ちでおられるんじゃないかと思います。

しかし、子どもは変わりません。はっきり言っておきます。

うちは経験のあるスタッフが約100人がいますけど、半分以上みんな元の生徒です。

「わかってるよ」みたいななんか思いのある人たちが集まって、そういう子たちをなんとかしようっていう団体と思ったらあかんよ。みんな元々そんなことこれっぽっちも思っていない人たちが、生徒がみんな集まっていて、それでスタッフになっているだけ。

自分の子どもをもうちょっと運のいい関係の中に。運が悪い世の中で、運が悪い子と愛嬌のない子は生きづらい。残念やけど。でも、しゃあないやん。運の悪い子にしてんのは誰やっていうことだけを考えるとね。

家族の会の親御さんたちは、みんなめちゃくちゃ運がいい

で、運のいい子にしようと思ったらどうしたらいいか?

運のいい人と逢わせることや。

運のいい人ってどんなやつか。簡単に言うといつも笑ってるし、何か言ったら「ありがとう」って言ってるし、人に感謝してるよって言える。すぐに挨拶もするしね。そういう人です。

家族の会に来てください。うちの家族の会、月に1回やってます。子どものことを忘れていい時間なんです。下でマルシェやってたでしょ。あれはみんな今の塾生メンバー、元の生徒の親が手伝ってくれているんですよ。みんなニコニコ笑ってますよ。

今度5月にみんなで韓国に遊びに行こうっていう話が出てます。「研修ツアー」っていう名目にしてね。

運がいい人になるためには、運がいい人と関わってください。みなさんの顔見てると、なんとなく空気が重い感じがするから…。

ビデオに出てたけんけんのお母さん。泣きの涙のお母さんだったんだよ。あの人が初めて来たのは、初めは友達が先にうちに来てて、その流れでたまたまお母さんが、子どもがまだ動かないうちから親だけが先に家族会に通うようになって。何年も経ってから、たまたま息子が「外に出かけたい」みたいなことを言ったっていうのにはっと気がついて入寮することになった。うまい人でしょ。運がいい人なんだね。

家族の会の親御さんたちはみんなめちゃくちゃ運いいんじゃないのかな。

少なくとも韓国旅行に行こうって言ったら、行ける人がいっぱいいるんですよ。

「自分の子どもが家から一歩も出ていないのに、親が韓国旅行行ってキラキラしてるなんて思われたら困るわ」なんて思ってちゃいかんでしょ。

子どもにとって、春夏秋冬の年中行事をきちっとやることが大事なんです。誕生日を祝ってもらう、正月は正月として暮らす、クリスマスの日はクリスマスに。今うちらはそれをやってるだけです。彼らはどんだけ運がいいか。内閣府の調査等によると日本にはひきこもりが140万人もいる中で運のいい方だと思いませんか?

こっちになりなさいよ。努力じゃないからこれは。

運のいい親御さんの特徴は、今日この人と会ってよかったなと思わなあかんよ。今の状態は運が悪いから、それだけなの。能力が低いとか発達障害があるとか、育て方が悪かったとか、あんなこと嘘っぱちだからね。

あなたの子どもが不登校になったのは「お母さんが働いてるから」とか、「お母ちゃんが全部悪い、もっとあんたが大事にぎゅっとしてやればいい」とか、「お父さんは働いてばっかりで子どものこと一切何も関わってないから」とか。全部嘘っぱちだったんです。

不器用な子って何かものすごい秀でたところがあったでしょう。元々。人間、同じだけのものしか持ってないと思うから、何か欠点がある方っていうのは何か秀でるところがある。絶対欠点やと思うことっていうのはプラスに作用すると思ってください。

ニュージーランドでは我々はミュージカルをやりました。大絶賛されましたよ。人前に一歩も出られなかった子が、本当は自分はやりたかった、でも自分はもう家から一歩も出ない、そういう風に閉ざしてしまった子が、そこから出るんですよ。それをやったんです。

けんけんもミュージカルやりました。でも声が出ないんです最初。ずっと喋ってないんだもん。そんな彼がある時うわーって言って歌い出したんです。そんなドラマがありました。後でビデオありますから見てください。

当たり前、きれいごと、普通を追いかけない、近づかない。

僕は「せっかく学校行かなかったんだから、当たり前なやつを追いかけるな」とずっと言い続けてたことがあります。綺麗事に騙されるな。そっちに力を入れるべきなんですよ。

みんなまだ「普通にならないかな」と思ってるんですよ。今さら普通に近づけちゃダメなんです。普通じゃないところで活躍する子を作らなきゃダメなのに、親がいつになっても「うちの子が人並みに働けるようになってくれたらいい」とか「人並みに、人並みに」って。

僕は言いませんよ。ニュージーランドのオレワビーチに抹茶カフェを作ったり、根岸の町でコッペパン屋さんやったりします。「なんでそんな大げさなことすんの」って思う人はいるでしょうけど、その人はそういうことでしか解消できないような辛さを理解してないからですよ。

日本の学校なんかすっ飛ばして海外の大学行く時、僕は「俺から離れない限り絶対卒業できるようにしてやるからな」と本人にはっきり言っていますよ。

もう本当に、うんざりなんですよ。37年前はこの仕事始めた時、将来はもっと違う世界になると思ってました。でも、蓋を開けたらどうですか?

不登校社会になっちゃったんですよ。

僕らが始めた頃、「不登校」なんて言葉はなかった。当時は「登校拒否」と言われていたけれど「彼は拒否してない、むしろ逆。行きたくて行けないのに苦しんでるのに、何が登校拒否だ」ということを当時僕ら若者支援団体が訴え、「不登校」という言葉に言い換えていったんですよ。

子どもが「出よう」と思った時に、親がブレーキをかけてしまう。

それにしても今講演を聞いているみなさんが今日どんだけいい話を聞いても、また明日になれば一緒、みたいな顔をしてるのが本当に辛い。

おそらくもう、この状況を自分で受け入れてしまってるんです。お父さんは仕事に出かけ続けながら、お母さんは子どもとの関係のことで悩みながら。むしろこの状態が壊れることが怖いのでは?

うちに来たら、子どもは必ず親から離れてもらいます。基本的に僕は離れるべきだと思っています。本人が家族と離れて安心できるところ、大事にしてもらうところを作ろう。

お父さん、お母さん以外で本当に君のことを大切に思ってくれる人を作ろうよ。

これが基本なんです。

言葉を選びたいとは思うんだけど、実際には母親が子どもを家に留めてしまっているケースは結構あります。娘がいない、息子がいない状況に耐えられなくなってしまうんです。

実は子どもの問題じゃなくて、自分自身が夫と一緒にいることがよっぽどしんどいという別の問題がどこかにあるんです。だから子どもを手放せないんです。
実は子どものためって言いながら、自分自身のために。

代理ミュンヒハウゼン症候群でしたかね、無理やり病気にして治さない。治さない子どもを自分が看病、介護する。子どものために献身的に振舞う。

今日来られたみなさんは熱心な人ばかり。でも、そうしている自分が好きで酔ってしまうところはありませんか?
今日は子どものために来ている、何かやってるっていう自分が好き。

そうなってしまった状況で、いざその子が「じゃあ出よう」と思った時に、実は母親がブレーキをかけてしまうということがある。

人間は自分の存在感を失うことには耐えられないんですよ。この耐えられない感じが、日本のひきこもりを長引かせてる最大の原因です。日本では個人主義が発達しなかったから。

運のいい人になるには、運のいい人と関わるしかない。

みなさんが運のいい人になるためには、運のいい人と関わることしかないんです。

うちにはひきこもりの経験があるスタッフがたくさんいるから。その子にものすごく合う子が必ずいる。横浜、ニュージーランド、オーストラリア、石巻。その子に合うところをいくらでもチョイスできるようになっているわけですよ。

僕の話を「今日聞いてよかったな」の一回限りで終わらせないで。ぜひ家族会に入会してスタッフを捕まえて個人的に話をしたり、毎月の家族の会に出て、他の親御さんと交流したりと、ぜひ継続的に僕らと関わって、運のいいほうに来てください。

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